Webエンジニアを目指すなら最初に知っておくべきこと

WEB技術基礎

― HTML・CSS・JavaScriptとWebの仕組みを理解しよう


はじめに

Webエンジニアという職業に興味を持ち、これから学び始めようと考えている方にとって、「何から学べばよいのか」という最初の疑問は非常に大きなものです。情報があふれる今の時代、HTMLやCSS、JavaScriptといった用語は耳にしたことがあっても、それらがどんな役割を持っているのか、どのように学んでいけばよいのかを体系的に理解する機会はなかなかありません。

本記事では、これからWebエンジニアを目指す人がまず最初に理解しておくべき基礎的な知識を丁寧に解説していきます。Webページがどのような仕組みで表示されるのか、そしてその中でHTML、CSS、JavaScriptがどのような役割を果たしているのか。その全体像を理解することが、今後の学習における重要な出発点となります。


Webページはどうやって表示されているのか

普段、私たちがスマートフォンやパソコンでアクセスしているWebサイト。その背後では、実に多くの技術と仕組みが連携して動いています。Webエンジニアとして働くには、この「Webの仕組み」を理解することが最初の一歩となります。

Webページは、以下のような一連の流れで表示されます。

  1. ブラウザにURL(https://example.com のようなもの)を入力すると、DNSという仕組みを使ってドメイン名がIPアドレスに変換されます。
  2. ブラウザはそのIPアドレスのサーバーに対して「HTMLファイルをください」とHTTPリクエストを送ります。
  3. サーバーはHTMLファイルを返し、必要に応じてCSSやJavaScript、画像などの関連ファイルも返します。
  4. ブラウザは受け取ったHTMLを解析し、CSSやJavaScriptを読み込んだ上でWebページとして描画します。

この一連の仕組みを、「クライアント・サーバーモデル」と呼びます。
クライアント(ユーザーのブラウザ)とサーバー(情報を提供する側)が、HTTPという通信プロトコルを使って情報をやりとりしているのです。

この通信の基本を理解しておくことで、後に学ぶフレームワークやAPI通信、セキュリティ対策などの理解がスムーズになります。

🔗 参考:Webの仕組みを図解で学ぶ – MDN


HTML・CSS・JavaScriptの役割とは何か

Webページは、主にHTML・CSS・JavaScriptという3つの技術で構成されています。それぞれの役割を建物にたとえるなら、HTMLは「骨組み」、CSSは「内装」、JavaScriptは「電気や水道の機能」と言えるでしょう。これらが揃って、初めてモダンなWebページが構築されます。

HTML:Webページの構造を記述する言語

HTML(HyperText Markup Language)は、Webページの「内容」と「構造」を表すためのマークアップ言語です。見出し、段落、画像、リンク、表など、ユーザーが見るコンテンツの基本的な配置を定義します。

<h1>ニュース記事タイトル</h1>
<p>この記事では、HTMLの基本構造について解説します。</p>

HTMLは「セマンティック(意味的)な記述」が重要です。たとえば、見出しには<h1><h6>タグを使い、本文には<p>タグを使うといったように、要素の意味に応じたタグを使うことで、検索エンジンや音声読み上げツールなどにも正確に情報が伝わるようになります。

🔗 参考:HTML入門 – MDN Web Docs


CSS:Webページの見た目を整えるスタイル言語

CSS(Cascading Style Sheets)は、HTMLで定義された要素に対して、色・サイズ・余白・レイアウトなどの「見た目」を指定するための言語です。

h1 {
  font-size: 24px;
  color: navy;
  margin-bottom: 16px;
}

CSSを使うことで、同じHTMLでもまったく異なる印象のWebページを作ることが可能になります。モバイル対応やダークモードなどの「レスポンシブデザイン」も、CSSによって実現されます。

レイアウトを組む際には、FlexboxGridといった強力な仕組みを使うのが現在の主流です。これらを学ぶことで、実務レベルのWebデザインが可能になります。

🔗 参考:CSS入門 – MDN Web Docs


JavaScript:Webページに動きと機能を加える言語

JavaScriptは、Webページに**動的な挙動(ユーザーとのやりとり)**を加えるためのプログラミング言語です。ユーザーがボタンをクリックしたり、フォームに入力したりしたときの挙動を制御するために使います。

document.querySelector("button").addEventListener("click", () => {
  alert("ボタンがクリックされました!");
});

さらに、JavaScriptはAPIと呼ばれる外部サービスとの通信にも使われます。たとえば天気情報をリアルタイムで取得したり、ログイン処理を行ったりといった高度な処理も可能です。

現在では、ReactやVueといったフレームワークと組み合わせることで、より大規模かつ保守性の高いWebアプリケーションを構築できます。

🔗 参考:JavaScript入門 – JavaScript Primer


開発に必要なツールを準備しよう

Webエンジニアとして学習を始めるためには、まず開発に必要なツールをインストールしておくことが大切です。以下に、初心者でも導入しやすく、現場でも広く使われているツールを紹介します。

ツール用途備考
Visual Studio Codeコードを書くためのエディタ拡張機能が豊富。初心者〜プロまで定番
Google ChromeWebページを確認・デバッグするブラウザ開発者ツールが非常に強力
Git / GitHubソースコードのバージョン管理GitHubで他人のコードを見るのも学び
Node.js / npmJavaScript環境とライブラリ管理フレームワークやツールの実行に必要

開発環境を整えることは、快適な学習体験を得るための第一歩です。どのツールも無料で利用可能で、ドキュメントや解説記事も豊富にあるため、導入のハードルは高くありません。

🔗 VS Code公式サイト
🔗 GitとGitHubの基礎 – Progate


まとめ:学習の全体像を把握することが第一歩

Webエンジニアの学習は、パズルのように多くの知識がつながっている世界です。今回ご紹介したHTML・CSS・JavaScriptは、その中でも特に重要な基礎技術であり、今後学ぶReactやAPI、バックエンドとの連携といった技術とも密接に関係しています。

まずは焦らず、**「なぜこの技術が必要なのか」「どんな役割を果たしているのか」**という視点で全体像を理解することを大切にしましょう。それが、継続的な学習のモチベーションにもつながっていきます。

次回は、今回学んだ内容を活かしながら、実際にHTMLとCSSを使って静的な1ページWebサイトを構築するハンズオン記事をお届けします。


次回予告

1ページのWebサイトを作ってみよう ― HTMLとCSSを使った静的ページ制作の実践編

「書いて動かす」ことでしか得られない学びがあります。ぜひお楽しみに。

コメント

タイトルとURLをコピーしました